周りの音、風景、全てが止まってしまっているような感覚に陥る。
そんな異変があたしの身体を襲い、動けなくなっている間にも、他の人はどんどん追い付いて来ていた。
この障害物競走の企画担当は、小杉春流。
やっぱりあの資料室での「お前の事、嫌いじゃねぇよ」という言葉は…嘘だったのかな?
そんな感情が渦巻いてしまう程に、あたしの心はグラグラと揺れ、不安の波が押し寄せてくる。
何でこんな指令が、あたしの元に―――
「未愛ちゃん、どうしたのっ?」
「大丈夫か?」
その声でハッとし振り返ると、紅羽先輩と由羽先輩があたしに向かって、本部から叫んでいた。
その後ろには、瑞兄と―――小杉春流も。
あたしは、自分が引いてしまったくじを、右手でシワになる程握り締める。そして、歯を食いしばった。
あたしのくじに書いてあった指令は―――「来紋学園生徒会長との、公開キス」だった。
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