「用事?」 「あ、あはは!本当にごめんなさい!私、もう帰るね!!」 かなり無理がある言い訳だったけど、私はそう言って自分の鞄をつかんでから科学室を飛び出した。 ―――バタンッ そんな扉が閉まる音がしたと同時に、私の体の硬直が少しとける。 ドキドキ、ドキドキ… そんな風に鳴っている心臓の音は、一向に鳴り止まなくて…… 歩くんの恋愛授業、これは予想以上に…… 「……私」 これは絶対、苦手科目だ。