そう一言だけ言って、歩くんは怪我をしている右手をとって……


「え―――…?」


そのままその傷が付いている指先を、パクリとくわえた。


くわえ……た?


―――ドクンッ


「〜〜〜っ!!?」


心臓が一回だけ大きく跳ね、そのまま思考回路がパッタリと閉じてしまう。

だって、だっ……


「あゆ…むく…っん?」

「なに?」

「ひぅっ!」


歩くんが喋った瞬間に、柔らかい舌が指先の傷口に触れる。


あう…変な声出ちゃうよぉ…。