「手、見せて?」
「……なな、なん、で?」
「……さっきから、言葉かみすぎ。ほら、早く手出して」
ギロリと睨まれて、私はおずおずと「……はい」と答えた。
そして隠していた右手を、歩くんの目の前に差し出す。
やっぱり私の指先からは、少しばかり血が流れていた。
ズキズキと、痛い。
「……はぁ」
「うっ」
歩くんが重苦し〜いため息をついた瞬間、ピクッと肩が跳ねた。
うううっ……絶対に、呆れられちゃったよね。
「……ねぇ、ゆき。ここで問題」
「ふぇ??」
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