またさっきみたいに、歩くんと私、二人きりになる。 なに? なになに?? 今、私にはいったい何が起こってるんでしょうか?? 「……いや、あ…二人きりになりたくないってワケじゃ」 「じゃあ、何で先生引き留めようとしたわけ?」 少し不機嫌そうな顔で、歩くんは私の顎をスリッと撫でる。 「ひゃっ」と思わず声が出てしまい、私はすぐに歩くんから顔を逸らした。 「ご、ごめんなさい」 「別に、そんぐらいで謝んなくてもいいよ」 そう言って歩くんは、少し屈ませていた体を元に戻した。