「………歩“くん”?」

「え……っ」


不思議な語尾の上がりように、少しだけ首を傾げる。


ま、まさか……


「ほ、本当に呼び捨てなんて無理だよ!?くん付けが精一杯って言うか…っ」


下の名前を呼んだのも今のがはじめてなのに、さらに呼び捨てなんて、絶対……

無理っ!!!


「ま、今はそれで許してやるよ。時間をかけて、じっくりやっていくから」

「じっくり…?」

「そう。じ〜っくり、ちゃんと教えてやるから。な?」


いろっぽい時東く…じゃなくて歩くんの声がすぐ近くで聞こえてきて、さらに顔が熱くなる。


はうぅ…私、これからちゃんとやっていけるかなぁ??