「でも、ずっと窓から長瀬くんの姿を見てるだけじゃ…ゆきの気持ち、伝わらないよ?」

「うぅ……っ」


この言葉は、いろんな人から何回も言われた言葉。

自分でも分かってる。

でも、でも……っ


「も、もうこの話しは良いじゃん!紗希ちゃんは、今日は部活行かなくていいの??」

「今日は生徒会はないわよ。だからゆきに一緒に帰ろうって言ってるんじゃない!」


「まったく」とため息をついて、紗希ちゃんは私のおでこにデコピンをした。

い、痛い…。


「もう良いわよ。さっさと行きなさい。この薄情者!」

「そ、そんなこと言わないでよぉ!今度アイスおごるから!!」


私がそう言うと、紗希ちゃんは「もう、仕方ないな〜」と言って私のおでこをまた叩いた。


だから、痛いよ紗希ちゃん。


「じゃあ、絶対にアイスおごるのよ!!」

「うん!分かった!!」


そんな言葉を交わして、私は紗希ちゃんと別れて科学室に向かった…。