「あ、じゃあ俺、もう行かないといけないから。またね山崎さん!」

「うん!ま、まま、またね長瀬くん」


もの凄くかみながらも、私はなんとか長瀬くんに片手を振る。


……やっぱり私、長瀬くんのことが好きだ。


好きで好きで好きで…

この気持ちを、伝えたいから―――…



「……科学室に、行かなきゃ」


私はそう呟いて、科学室に向かって歩みを進める。

そして科学室の扉を開けて、ある人物の姿を探す。


「遅かったな山崎……って、なにその荷物?」


「佐野先生にでもパシられた?」と言いながら、時東くんが私に近付いてきた。


「ねぇ、時東くん」

「なに?」


私は時東くんの名前を呟いて、実験器具が入ったダンボール箱を床に“ドンッ!”と置いて……