もしこれがまったく関わりのない他人なら、あー可愛い子だなぁで終わるだろう。
だけど今目の前にいるのは山崎だ。他人などではない。
そしてそんな山崎に時東は「ゆき…」と感動している様子だ。
だけど、紗希ちゃん、藍沢、俺の考えはまったく違う。
「……私からゆきを奪おうなんていい度胸ね時東くん」
「……山崎さん、時東なんて放っておいて部活しよう」
「……あーあ、また科学室の温度が上がっちまっったよ」
イライライライラ
イライライライラ
イライライライラ
俺を含めた3人のイライラが、最高潮になっていく。
そして……



