「あっれ、佐野先生なんでたいそう座りなんてしてるんですか?」


続いて聞こえてきた明るい声。

その声に、いち早く山崎が反応を見せる。

「紗希ちゃん!」と。


「どうしたの紗希ちゃん?こんな所に」

「あー、あんたに用があったのよ。はいこれ、ノート忘れてたよ。明日提出で、今日家でまとめるんでしょ?」


そう言って、山崎のベストフレンドこと紗希ちゃんは、山崎に「はい」と一冊のノートを差し出した。


「ありがとう紗希ちゃん!!」


よほど嬉しかったのか、ニッパーと可愛らしい笑顔を見せるゆき。

そんなゆきを見て紗希ちゃんは……


「あと、時東くん」


何故か時東に声をかけた。