「……もう、お前らなんて知るか。佐野先生は一人孤独に植物観察してるからどっかいけ!」


本当に寂しくなって、目にジワリと少しだけ涙が浮かぶ。


あーあ。

反抗期の子供をもった親の気持ちってこんなんなんだろうな……。


そんなコトを思いつつ、椅子の上で器用にたいそう座りをしていると……。


「佐野先生、何をしてるんですか?」

「あ、藍沢」

「藍沢くん!」

「げっ、藍沢」


もちろん、最後の声は時東だ。

藍沢と時東は中学からの同級生らしいが、互いに忌み嫌いあっているっぽい。

それでも部活仲間だから、1日に一言二言は話す関係だ。