………あー、まずい。 心の中で呟く。 ………あー、ヤバい。 冷や汗をかく。 ………あー、来ちゃったよ。 山崎の王子様が。 「……や、時東」 「こんにちわ佐野先生。で、俺のゆきと何を話してたんですか?」 “俺の”の部分を強調して、にこぉっと満面の笑みを浮かべる少し小柄な男子こと、学校一の王子様・時東 歩。 あー、まずい。 完璧に怒ってるよこいつ……。 なんだよ。少しだけ山崎と話ししてたダケじゃんかよ!