ギュッと、歩くんとは手を繋いでない方の拳を握りしめる。 歩くんは、自分の気持ちから逃げたわけじゃない。 それは、私が一番分かってるコトだから……。 「歩くんは私にちゃんと“好き”って言ってくれたから。だから歩くんは、自分の気持ちから逃げてなんかないよ」 「でも……っ」 「それに歩くんは、私より悩んで苦しんで……私のことを思ってくれて」 私のために、恋愛授業をしてくれて。 私のために、雨の中駅で待っててくれて。 私のために、ギュッて抱きしめてくれて。