「いがいと外真っ暗だな」 そう言って、歩くんは二つの鞄を手で抱える。 「自分の鞄ぐらい、自分でもつよ歩くん??」 「こういうのは彼氏がもつものなの。そんぐらい覚えとけよ」 「う、うん…」 私がそう頷くと、歩くんはそのままツカツカと歩いていく。 「……歩くん、やっぱり」 「俺はゆきの彼氏なの。だから鞄ぐらい、持つのが普通」 「そうなの?」 「恋人同士だとそうなの」