「じゃあもう暗いし、家までおくってく」 「え、でも…」 「いいから。な?」 そう言って俺は、ゆきの手をギュッと握って引っ張って科学室をでた。 もちろん、恋人つなぎで。 ……また、こうしてゆきと手を繋げるなんて思ってなかったな。 そう思い、俺は繋いだ手にギュッと力を入れる。 「……ねぇ、ゆき」 「なに??」 名前を呼ぶと、キョトンとした顔で俺の方を向く。 名前を呼んだら、振り返ってくれる。 たったそれだけのコトなのに、凄く嬉しくて……。