「―――重い」


そんなことを呟きながら、私は重たいダンボールを抱えて科学室に向かっていた。

放課後になって佐野先生からお呼びだしがかかり、本当に実験器具を運ばされるなんて……


佐野先生が顧問の科学部の宿命だよね……っはは。


「それにしても、本当に重たいな…」


「ふぅ」と息を吐いて、目の前の少し高い階段を見つめる。


この階段をのぼったら科学室だから、頑張れ自分!


「よしっ!!」


そう自分に気合いを入れて階段の一段目に足をかけた瞬間、私の後ろに数名の女の子たちが通るのが分かった。


足音と、甲高い声が聞こえる。