「……でも」
何で時東くんは、私に恋愛を教えてくれるなんて言ったんだろ?
私と時東くんは、別に親密な仲と言うわけでもないし。
じゃあ……
「……??」
「おい山崎ぃ!なに俺の授業でボーッとしてんだよ!」
いろいろと考え込んでいたからかボーッとしちゃってたらしく、そんな声と共に私の頭に激痛がはしった。
「いったーい!佐野先生、叩くなんてヒドいです!!」
「よし山崎、今日お前、実験器具運ぶの手伝えよ」
「ええっ!!」
「これは科学部部長ではなく科学の先生命令だ。
ボケーッとしてた、山崎さん」
そう言って先生がパチンとウィンクをした瞬間、教室に今日一の笑いがおこったことは言うまでもない……。



