「“げっ”じゃないですよ佐野先生!昨日、いつも科学準備室で寝てるって言ってたからまさかとは思ったけど……」

「先生、盗み聞きなんて最低ですね」

「う、うううるさい!だいたい、科学室でいかがわしい事をするお前らが悪い!!」


かなり慌てた様子で、佐野先生は「とにかく!」と話しを続ける。


「もう時間も時間だから、早く帰りなさい!!」

「言われなくても。じゃあゆき、行こっか」

「わわっ!」


少し不機嫌そうな歩くんが、そう言って私の腕をひく。

そして私が佐野先生とすれ違った瞬間に……


「―――伝わってよかったな、山崎」