男子だからとか、 学校だからとか、 そんなの、この時の俺は考えられなくて……。 「……ふ、ぅっ、…くっ」 誰にも聞かれないようにと、声を殺して、 そしてこのまま、ゆきへの気持ちも殺してしまえと思いながら、 俺はたった一人、 静かに、静かに、 「…………ゆき、バイバイ」 泣いたんだ。