【完】甘い恋愛授業




「え……?」


いきなり開かれた扉に驚いて、パッと顔を上げる。

そこには……


「……ゆき」

「歩……くん??」


ゆきの姿を見た瞬間、苦い顔になる俺。


何でゆきは科学室に来た?

ああ、ゆきって真面目だから、告白した結果報告でもしに来たのかな??


「ゆき…どうだった長瀬は?」


聞かなくても分かる。


ゆきの声からして、告白は成功しただろう。

何も変わらない、いつものゆきの声。


「……その様子だと、うまくいったって感じ?」


ゆきに絶対に視線をあわさずに、俺は窓の外を眺める。

オレンジ色の淡い光が、優しく俺の顔を照らす。


「うまくいった?……うーん、どうなんだろ??」

「……は?」