「―――つっ」 俺は、唇をグッと噛み締めた。 そしてゆきの腕を引っ張り、長瀬がいる校門まで走った。 思えば、長瀬はもうすぐ転校するんだ。 だから、もう恋愛授業なんて、してる暇ないんだ。 「……長瀬!!」 「え?あ、山崎さんに時東じゃないか。どうかした??」 「な、長瀬くん?」 長瀬の姿を見て、目を丸くするゆき。 俺は「ちょっと、ゆきが話しがあるみたいだから」と言って、長瀬を見つめた。 「歩くん!?」 俺の言葉に、ゆきは驚きの声をあげる。