「ゆき……っ!?」 「え、あ、ちがっ…これは」 必死で涙を拭いながら、この涙の理由を説明しようとする。 私は歩くんを嫌いになったわけじゃない。 でも、じゃあ逆に歩くんは……私のことが好き? 「……つっ」 歩くんはグッと唇を噛みしめると、私と藍沢くんの横を通って科学室を出て行った。 いきなり出て行ったので、言葉をかける余裕すらない。 「あ、歩くん!待って…」 そう叫んで私が歩くんを追いかけようとした時、私の体は藍沢くんによって止められた。