私は早口で紗希ちゃんにそう言って、小走りで歩くんの方に向かう。 なんだろ歩くん? まさか、昨日の…… 「歩くん、いったい……」 「話すのはいいけど、いったんここから離れよう」 歩くんはそう言って、周りをキョロキョロと見回した。 そしてふと気づく。 あ、周りにいる女の子たちがざわついてる…… そっか、歩くん学校の王子様だもんね……。 「……じゃ、行こ」 「う、うん!」