「……あのっ」 長瀬くんが転校することを言おうと思い、口を開いた。 だけどその時パッと浮かんできたことが…… “なんで歩くんは私にキスをしたの?” 「……あの、歩くん」 「なんだよ?」 「……一昨日の、ことなんだけど」 私がその言葉を出した瞬間に、ビクッと歩くんの体が揺れた。 話しにくいことだけど、このことだけはハッキリしないといけない気がするから…… 「何で、あの時キスなんて……」 「―――あんま、覚えてないんだ。あの時のこと」