「て、転校??」
「うん。親の転勤でね。一週間後までには転校しなきゃなんないんだ」
「うそ……っ」
じ、じゃあ…長瀬くんが好きな私の気持ちはどうなるの!?
「……あ、そうだそうだ。山崎、ちょっと頼みたいことがあるんだが良いか?」
「は、はい??」
長瀬くんが転校するという衝撃が大きくて、佐野先生の言葉がなかなか耳に入ってこない。
「実はちょっと時東に届けてもらいたいプリントがあってな。
山崎、時東と仲がいいみたいだし……家の地図やるから、届けてくれないか?」
「……はい」
私はそう言って、佐野先生が差し出したプリントを手にとってフラフラと科学室を出た。



