そんなゆきを、俺は慌てて追いかけた。 するとゆきは、階段に座ってへたばった様子で…… 「歩くんっ、ごめんなさい!」 突然、頭を下げてきたゆき。 俺は、何でゆきが謝ってくるかが分からなかった。 きっと、ゆきは俺と手をつなぐのが嫌だった。 だから、俺の手を振り払った。 当然だ。 ゆきは長瀬が好きなんであって、俺はただの恋愛の先生だ。 手を振り払われても、別に不思議ではない。 無理に手を繋いだ、俺が悪かったんだ。 だから、謝るなよゆき。 だから、頭上げろよゆき。