ダラダラと汗を流すゆきに、俺はそう言う。


「そうなの?山崎さん」


特に疑ってない瞳で、ゆきを見つめる長瀬。

だけどその瞬間……



「―――違うよっ!!」


そんな否定の声が、科学室に大きく響き渡った。


「わ、私と歩くんは恋人同士でもないし!デートなんてしないからっ!!」


……そんなに、否定しなくてもいいじゃん。


土曜日、一緒に遊びに行くのは本当だろ?


ああもしかしてゆき、

俺と遊びになんて行きたくない?