―――ピタリ。 科学室の一歩手前。 俺は、足を止めた。 なんで足を止めたか? だって、だって…… 何で科学室の前で、ゆきと長瀬が話してるんだ―――…? そう思って、ゆきと長瀬に話しかける。 すると長瀬は、 「や、時東。やっぱり時東は白衣が似合うね。さすが王子様」 「……お褒めのお言葉ありがとう。で、何で長瀬がゆきと一緒にここにいるわけ?」 ゆきと長瀬が仲良そうに話していたのを思い出し、自分が不機嫌になっているのが分かる。