そう言って歩くんは、私の腰にスッと手を回してそのまま自分の方に引き寄せた。

そして気がつくと、もうキスができちゃいそうな距離で……


「―――つっ…」

「うーそ。俺、あんなんで不機嫌になるほど小さな心持ってないから」


ニッコリと歩くんは笑顔を見せて、そのままチュッと私の頬に唇を落とした。


「〜〜〜つっ!!?」


カアアアアッと、自分の顔が熱くなっていくのが分かる。

雨で肌が冷たくなったぶん、歩くんの唇の暖かさが直接伝わってくる。


「歩く……いやっ」

「ま、今日はテスト合格ってことで……ご褒美」


そう言って、今度はオデコにキスをする。


きゃああああっ!!