「あの……っ」
「雨ひどいな。いったん、ここで雨宿りしよ」
「う、うん」
そう言って、駅の隅の屋根がある所に体を寄せた。
「もっとこっち寄れって」
「わわっ!?」
いきなり体を抱き寄せられて、ビクッと肩が揺れる。
うわわわわ!歩くんと、凄く距離が近い…!?
「……歩くんっ」
「……でもさ、ゆき…ちゃんと来たんだ」
「!?そ、そうだよ歩くん!私には来るなって言っといて、自分は来るなんて……」
「だから言ったじゃん。ゆきには来るなって言ったけど、俺は来ないとは言ってない」
「そんな、ナゾナゾみたいな…」



