「それ、大事な用事なの?」

「え……っ」

「体を固まらせるってことは、大事な用事なのね。じゃあ、ケーキなんて食べてないでさっさと行く!!」

「……でもっ」

「でもじゃない!!」


紗希ちゃんの大きな声が店内に響いて、一瞬だけ店内がシーンとなる。


さ、紗希ちゃん??


「でもじゃないでしょ!あとから後悔しても、私知らないからね??」

「うぅ…っ」

「それがあんたの悪いクセ!ウジウジ考え込んで、今しかできないことを後回しにして結局、後悔」

「はぅ…っ」


ごもっとも……。


「……9時45分」

「へ?」