―――ドク、ドク


そんな感じで、時計の秒針が進んでいくように脈もどんどん早くなっていく。


歩くんは来てない。

だって雨どしゃ降りだし、私には来なくていいって……


「……っ」


気になって、また私は時計を見てみる。


9時30分。


「……ねぇゆき、さっきから時計ばっか気にして…どうかしたの?何か用事??」

「え?う、ううん!違う違う!まったく用事なんてないから!!」


あははーと笑いながら、私は胸の前で両手を振る。