長瀬くんの特に疑っていない眼差しに、頭がまた混乱してくる。 何で歩くんが、こんなことを言うのかは分からない。 でも、もし歩くんと私が恋人同士だって誤解されちゃったら…… 私の恋はどうなるのっ!? 「―――違うよっ!!」 私の大きな声が、科学室内に響いていく。 「わ、私と歩くんは恋人同士でもないし!デートなんてしないからっ!!」 ほぼ勢いで、私は拳を目一杯ギュッと握りしめてそう言った。