「……あの、山崎さん」
「へ??」
いきなり名前を呼ばれて、つい変な声を出してしまう。
え?今、私の名前よんだのって…
「ななな、長瀬くんっ!?」
「あ、邪魔…だった?」
「そそそそんなことないよ!あの、で、なにか私に用事でも…?」
私がそう聞くと、長瀬くんは科学のテスト問題を見せてきて、
「ここ、教えてほしいんだけど?」と小声で言った。
「長瀬くん?なんで、小声……」
「いや、時東なんか怒ってるみたいだから…大きい声だしちゃ悪いなって」
そう言って、力なく長瀬くんは笑った。
やっぱり、長瀬くんも歩くんのこと気づいてたんだ……



