「……歩くんっ」
キリキリと心臓が痛いが、そんなのは気のせいということにして私も科学室の中に入った。
「じゃあ…俺はただの補講なんで、気にせず部活やって下さいね」
「そんなの分かってる」
「あ、歩くん!」
や、やっぱり歩くんおかしい。
なんだか、かなり長瀬くんに対しての態度が……
「……うん、なんかごめんね」
「ううん!長瀬くんは、気にしないで」
私がそう言うものの、科学室の中のドンヨリした空気は変わらなくて……
私と歩くんと長瀬くんは、ほぼ別々の所で別々の作業をしていた。
なんか、悲しいな……



