「わ!ちょ…カップルいるよ!早くいこ!!」

「え?てか、あれうちと同じ制服じゃ……」

「そんなのどうでもいいでしょ!だから早く!!」


……とまあ、こんな感じの会話が女の子たちの間で繰り広げられ、女の子たちはパタパタと去っていった。


「……ゆき」

「……っはい」

「目、開ければ?」


歩くんがそう言って、押しつけていた私の手を離してソッとその手で私の頬を覆った。

またギュッと、つぶったまぶたに力が入る。


だって、目なんて開けられない。

恥ずかしすぎて、歩くんの顔見たらきっと……