「―――こっち」

「え……?」


さすがに歩くんも、手を離してくれると思った。

だけどそんな私の考えとは裏腹に、歩くんは繋いでいる手をグイッと引っ張って……


「きゃ…っ」

「………黙って」

「だ、だま…??」


気づいた時には、歩くんから壁に押さえつけられていた。


………なんで???