そう言って、歩くんは私の顔を間近でのぞく。

その口元から真っ赤な舌がのぞき、あの光景がまた……


「あ、歩く……っ」

「……?なに顔真っ赤にしてんの??」


意味が分からないという風に言って、私の首もとに手を差し込んでスリッとなで上げる。


わああ!わああああ!!


「……や、休んだことはごめんなさい。歩くんと、顔あわせられないって思っちゃって」

「それって、俺とは会いたくなかったってこと?」

「そ、そういう意味じゃ…」


キッパリと否定しようとして、伏せていた顔をバッと上げる。

そしたら歩くんの顔が、思ったより近くにあって……


―――ドキンッ