声がする方を見ると、歩くんがニッコリとした王子様スマイルで私を見ていた。 周りにいる女の子たちが、ザワザワとざわめき出す。 「……ねえ、ちょっとこの子かりていい?」 そう言って、目の前の王子様は紗希ちゃんに目線を向ける。 紗希ちゃんは「え?」と声を漏らすも、いたって冷静に…… 「どうぞどうぞ」 さ、紗希ちゃあああああん!!