「そ、そそそそんな!せっかく長瀬くんが買ったのに、そんなこと……」
「良いから良いから。ね?俺、今日はいっぱい買ってるし」
そう言って、もう片手に持っている袋を見せてきた。
本当にいっぱい買ったんだ長瀬くん。でも……
「……本当に、いいの?」
「うん。遠慮しないで。前に科学室のガラス割ったおわびだと思って。ね?」
「……じゃあ」
「ありがとーございます」と言って、長瀬くんからパンを数個受け取った。
えへへ……
「長瀬くんから、パンもらっちゃった……」
「……なーんか、ゆきが長瀬くんのことが好きな理由、分かった気がする」
そう言って、紗希ちゃんは私の頭を優しくなでる。



