「あ、あの藍沢くん!このハンカチは……」
そう言って、藍沢くんを追いかけようと立ち上がる。
でも……
「…あれ?」
もう気づいた時には、藍沢くんの姿はどこにもなかった。
ハテナマークだけが、頭の上に浮かぶ。
「まあ、明日渡せばいっか」
どうせ、明日も科学部はあるんだし、渡すならいつでも……
「……明日は」
さすがに科学部に行かないと、まずいよね。
でも……
「やっぱり、歩くんとは顔あわせらんないよぉ…」
そんな気持ちをズルズルと引きずったまま、その日私は家へと帰り……
私は恋愛授業をサボった。
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