「何がだるい?3年か?」



「うん。何もかもがだるいし」





少し茶色い髪の間から顔が見えた。


いい顔してんのに。



鋭い目をして、保健室のドアを見つめていた。




「進路とか考えるのが辛い?」


「うん」


「大人になりたくない?」


「わかんない」





しばらく話していると頭を上げて、はっきりと顔が見えた。




「俺のこと知ってる?」



俺がそう聞くと、コクンと頷いた。



「学校で一番怖い先生だろ?」



そう言ってから、ちょっとだけ笑った。





「名前は?」


「新垣・・・・・・だろ?」


「違うよ、お前の名前」


「畑中」


「そうか。畑中・・・・・・ 俺、受け持ったことないけど、いつでも話聞くから。体育教官室か生活指導室か職員室にいる。用事なくても俺に会いたくなったら来いよ」




畑中は、会いたくならねーよ!と言いながら、俺と一緒に腰を上げた。




そして、渋々教室へ向かって歩いた。