ゆっくりと白い建物から遠ざかる。 外の世界に出るのは久しぶりだった。 「――…‥かもしれません」 まだ耳にぼんやり残る、担当医の言葉を振り払い、少しスピードを上げて歩く。 行くあてを決めてきたわけじゃない。 学校の制服を来てきたのは、学校に行こうと思っているからという訳じゃない。 退学届けはそのうち出すつもり。