柏原くんは、チラッとこっちを見てから自分の席に座った。
……!!
目が……合ってしまった……。
「ねぇ満里奈」
「な、なに?」
「静くんと何か話したの?」
……話?
確か……緊張しすぎてマトモに話せてなかった気がする……。
「えっと……必要最低限の会話をしたくらい……?」
「そうなの?まぁ、満里奈ならそうなっちゃうか。今まで話したことなかったもんね」
「うん……」
ずっと、遠くから見てた。
遠くから見てる彼は一人の時が多くて、たいてい窓から空を眺めていた。
同じ景色を見たくて、ほんの少し遠くから、同じ空を眺めていた。