さあ、いこう!

自信を持って 家を出る。


今日こそ、
佐々木さんの所へ行こう!

佐々木さんと、
恋しに行こう!


家庭があるから…。
不倫なんていけない…。
と、何度も、この恋をやめようとした私。

でも…。
恋する魅力からは、結局、逃げられなかった私。

だから、私は、もう逃げない!


電車の中。
美しすぎる景色をみながら考えた。


この恋は…。
きっと、それ程 美しくはない。

家族を捨てる勇気もない者が、

それでも 日常が 退屈だからと言って、するような恋だ。

けれど それも悪くない。

メロドラマのように ドラマチックではないけれど…。

韓流映画のように 一途ではないけれど…。

でも、この胸の トキメキは 確実なものだからー。



佐々木さんだって、どこまで本気だか分からない。

けれど 一瞬、私に見せた、すがるような目は 特別だ。

たとえ一瞬でも、佐々木さんは、私に 心を開いたんだ。


どんな動悸であろうが。

どんな きっかけであろうが。


私の生活に 潤いを与えてくれた恋。

この恋を 大切にしたい。