頭の芯まで、クラクラするような。

今までで、一番長いキスの後。




「おまえにキスしていいのは、オレだけだから」



綾瀬涼は、強い口調でそう言い。




「おまえのこと、由梨って呼んでいいのも、オレだけだから」



ふてくされたように、ぷいっと横を向く。




「え?」



「もう、誰にも呼ばせるなよ?」





・・・・・。


それって・・・。


西園寺くんのこと?





「小さい頃、おまえ自分のこと“ゆう”って言ってたから、そう呼んでたけど。
もう由梨って呼んで、いいよな?」



綾瀬涼が口早に、あたしに聞く。




そして、あたしの答えを待たずに。




「由梨・・・」




あたしの名前を口にして、ちょっと強引なキスをした。