狼クン達のオリの中【完】

床に座りこむ西園寺くんを上から見下ろし、静かに聞く。



「何のために、やった?」


「おまえが、ムカツクからだよ」



西園寺くんは口元をぬぐいながら、いまいましそうに、横を向く。



「何でいつも、おまえに勝てないんだよ」



吐き出すように言った西園寺くんに、綾瀬涼は諭すように口を開く。




「おまえ、今、何しようとしてたか、わかってんのか?
自分にも勝てない卑怯な奴に、オレが負けるわけないだろ?」




その言葉に、西園寺くんはぐったりと頭を垂らし。


綾瀬涼は、視線を横にずらす。




「そろそろ仕掛けてくると思ってたよ。
卑怯なところは、ずっと変わってねぇな?
可憐?
鈴奈?」




ツンと横を向く可憐さんと鈴奈の手から、ビデオをカメラを取り上げ、床に叩きつける。




「女だからって、容赦しない時があるって、教えてやるよ」




パァ-ンっ!!




パァ-ンっ!!




2回。


頬を叩く、乾いた音がして、2人が走り去る音がした。