「・・・わかったよ。 やってやるよ」 後ろから、綾瀬涼のちょっと怒った声が聞こえた。 その声に薫が足を止める。 「へぇ・・・。 本気? 涼兄・・・?」 薫は鼻で笑いながら、バカにしたような声をあげる。 「涼兄・・・格好悪っ。 何?何? 弟の彼女奪うつもり?」 「うるせぇ。 そう仕向けたのは、おまえだろ?」 綾瀬涼は眼鏡をはずし、制服のポケットにいれた。 「本気でやってやるよ」