狼クン達のオリの中【完】

薫はあたしに向き直り、にっこり笑った。




「お姉ちゃん・・・知ってた?
涼兄って・・・・泳げないんだよ?」



綾瀬涼が薫の口を塞ぐよりも、薫の声の方が一瞬早く。




あたしは、薫の言葉を繰り返した。



泳げない?

綾瀬涼は泳げない?

え?

泳げないって・・・・?




「でも、すごいよね?
恋の力って。
涼兄・・・助けたんでしょ?
溺れたお姉ちゃんを。
ボク、尊敬するよ」





そう言いながら、薫は綾瀬涼の手を振りほどく。