狼クン達のオリの中【完】

「ねぇ・・・。
ホントにボクのこと好き?」


あたしを離して、薫が心配そうに聞いてくる。


「え?
どうして?」


「だって、信じられないじゃん?
お姉ちゃん。
ずっと、涼兄・涼兄言ってたし・・・」



薫は下を向いて、靴のつま先で地面を蹴る。



「そ・・・それより、薫こそどうなの?
ホントは、あたしのことからかってるだけ・・・だったりして・・・」



思いつめたような表情の薫はなんだか別人みたいで、いたたまれないあたしは、おどけて言った。



「は?
ボクのこと疑ってるわけ?」



薫は明らかに嫌な顔をしてあたしを見た。


「だ・・・だって・・・。
今までの言い方だって軽かったし・・・」



「あっそ。
信じてくれないんだ。
じゃあ、いいよ」



冷たく切り捨てて。



薫はあたしをその場に残して、スタスタ歩き出した。